産業保健の基本の『き』:入社後に最初にすべきこと

2024-10-11

産業保健師の基本

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産業保健師として企業に入社すると、すぐに健康管理業務を進めることを考えがちです。しかし、まず必要なのは「自社を知ること」です。企業の実態を把握せずに施策を進めると、方向性がズレてしまい、期待した効果が得られないこともあります。

✅ まずは自社を知ろう

以下のポイントを押さえておくことで、スムーズに業務を進めるための土台を築けます。

🔍 基本情報の確認

  • 社名(正式名称と略称)

  • 業種(製造業・サービス業・IT・運送業など)

  • 業界内での立ち位置(国内シェアNo.1、県内唯一など)

  • 経営理念やパーパス(企業の価値観や方針)

  • 社長の名前と経歴(経営方針への影響大)

🏢 従業員と組織の把握

  • 従業員数・平均年齢・男女比

  • 本社・支社の所在地(拠点数により業務範囲が変わる)

  • 組織図(関わることが多い部署を把握)

  • 労働時間の形態(シフト制・フレックス・夜勤の有無など)

これらの情報は、企業のホームページや社内資料から確認可能です。入社前に調べられる内容も多いため、事前の情報収集も有効です。

📌 企業文化を理解する重要性

企業文化を把握せずに施策を進めると、効果が薄れてしまうことがあります。医療職では「根拠に基づいたベストな方法」を選ぶことが基本ですが、企業では「会社の方針や文化に適合するか」が重要視されます。

🎭 企業文化の違いによる影響

❌ 企業文化を知らずに施策を実施すると…

  • 📝 紙文化の企業にメールでの案内を送る → 読まれない

  • ⏰ フレックスタイム制の企業で朝活を企画 → 参加者が集まらない

  • 🔺 トップダウン型の企業でボトムアップの施策を提案 → 採用されにくい

✅ 企業文化を理解して施策を調整すると…

  • 📄 紙文化の企業では掲示物や紙の配布物を活用

  • ☕ フレックス制度の企業では昼休みの時間帯に施策を設定

  • 📢 トップダウン型の企業では経営層を巻き込んで提案

このように、企業の特徴を理解することで、無駄な労力を削減し、より効果的な健康支援を実施できます。

✨ まとめ

新しく企業に入社した際には、「自社を知ること」が最優先事項です。企業の業務内容や文化、従業員の特性を理解することで、より適切な健康管理業務を進めることができます。

企業を知ることは、従業員の考え方を知ることにもつながります。適切な情報収集を行い、信頼関係を築きながら、実効性のある健康管理を目指しましょう。

 

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