保健指導~痛風(高尿酸血症)~

2024-08-01

保健指導

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保健指導~痛風(高尿酸血症)~

痛風とは、名前の由来は諸説ありますが、風が当たるだけでも痛いから「痛風」と言われるくらい、激痛だそうです。
アドバイスの仕方によっては、悪化をさせてしまう恐れがあるため、注意しましょう!

痛風の原因は?

痛風の原因は、高尿酸血症といわれています。
尿酸とは、「プリン体」が肝臓で代謝されてできたものです。

基準値 尿酸値:7.0mg/dl以下
異常値 尿酸値:9.0mg/dL以上(病院での精査が必要)

尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が続くと、突然関節痛を起こします。
これを痛風発作と呼んでいます。高尿酸血症は尿路結石も作られやすくなるため注意が必要!

痛風発作のメカニズム

高尿酸血症状態
尿酸が結晶化、関節に付着

何かのきっかけで付着した結晶が剥がれる
それを異物とみなして白血球が攻撃

炎症物質放出
腫れや、激しい痛みを引き起こす(痛風発作)

高尿酸血症3つのタイプ

① 尿酸を大量生産…食べ過ぎ・飲みすぎ

② 尿酸排泄機能の低下…肥満・ストレス

③ ①+②の混合型

高尿酸血症を改善しよう

『食べ過ぎない・飲みすぎない、ストレスためない、激しい運動しない』がポイント!

① プリン体を多く含む食品を知ろう

食品(100g当たり)に含まれるプリン体
極めて多い(300mg〜):鶏レバー、千物(マイワシ)、白子、アンコウ、など
多い(200~300mg) :豚・牛レバー、カツオ、マイワシ、千物(アジ・サンマ)、など
中程度(100~200mg) :肉類(牛、豚、鶏)、魚類、など


食品によるプリン体の影響は約2割です。残り8割は体内で作られます。
「食べない」ではなく『食べ過ぎない』ように意識しましょう。
プリン体 1日の摂取量:400mg超えない程度

アルコールは尿酸を上げる

プリン体0のビールなど、アルコールに含まれるプリン体自体を減らすことも1つのポイントですが、アルコールそのものが高尿酸血症につながるということも知っておきましょう!

・ アルコールは体内のエネルギー源であるATPの分解を促進するため、プリン体が増加
・ 過度な飲酒によって生成された乳酸によって尿が酸性化すると、尿酸の排泄を阻害

適度な飲酒を心がけましょう。

肥満の予防

食べ過ぎ・飲み過ぎた結果として、肥満があります。
内臓脂肪の蓄積によって、増大した脂肪からインスリン抵抗性を引き起こす物質が産生され、代償的な高インスリン血症を招きます。慢性的な高インスリン血症は、Na+の再吸収を促進、共役する尿酸の再吸収も促進するため、尿酸排泄が低下します。
BMI25 以上の約7割が高尿酸血症にかかっているというデータも・・・・・・・

ストレスを解消

ストレスによって交感神経が優位になると、血管の緊張が高まり全身の血流が悪くなります。腎臓へ送られる血液も減少することから、結果として尿酸を体外へ排泄できず、体内に溜まってしまいます。
副交感神経を優位にしてリラックスするため、ぬるま湯に浸かることがお勧めです。

尿酸値が高い人は、激しい運動はしない!

短距離ダッシュや、ベンチプレスなど強度の高い筋トレといった無酸素運動は、大量の体内のエネルギー(ATP)を使うため、分解されたATPから大量のプリン体が生成されます。
激しい運動は腎血流量を低下させたり、筋肉の疲労によって乳酸が増加することで、尿酸の排泄機能が低下します。
汗をかき体内の水分量が減少すると、血液が濃縮され尿酸値が高くなります。

運動するときは、こまめな水分補給とウォーキングなどの有酸素をおススメ!




高尿酸血症は「ぜいたく病」といわれることもありますが、発症には生活習慣が大きく関係していますが、肥満解消のために『まずは運動して痩せましょう』などのアドバイスをしてしまうと、痛風発作をひきおこしてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

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